当然のことながらどの国も留学生を気軽に受け入れているわけではありません。
まずは留学生が問題なく留学期間を終えることができるのかを事前にチャックします。
その際に必要となる書類の一つが残高証明書です。
残高証明とはいったい何?なぜ留学の際に必要?
残高証明書とは預貯金や有価証券、そして投資信託などの財産をどれくらい有しているかを記した書類です。
ではなぜ留学の際にこの書類が必要なのでしょうか?留学するために外国に来たものの学費や生活費、そして帰国するために必要な十分なお金を持っていないなら、トラブルが生じてしまいます。
またこのような人を受け入れた学校側の責任も問われてしまいます。
こうした事態を避けるために、留学生が自分を賄える財力があることを確認するために、残高証明書が必要となるわけです。
残高証明書を取得する方法
たいていの場合、お金を預けている金融機関は銀行です。
銀行の場合は窓口へ行けば残高証明書を発行してもらえます。
口座のある支店ではなくても、同じ銀行であれば発行が可能です。
発行の際に必要なのは通帳、通帳を作ったときの届出印鑑、そしてパスポートや免許証などの本人確認書類です。
発行までの日数は銀行によって異なります。
しかしたいていの場合は1週間から2週間ほどで受け取ることができます。
留学先によって異なる残高証明書の金額
実のところ、留学に必要な残高証明書の金額は留学する国によって異なります。
平均的な額は以下の通りです。
アメリカ | 300万円/年 |
---|---|
イギリス | ロンドン:約£1300(240,700円)/月、ロンドン以外:約£1,000(185,000)/月 |
オーストラリア | A$2万(1,932,000円)/年 |
カナダ | 学校通学予定月数x10万円 |
ニュージーランド | NZ$17,000(1,539,000円)/年 |
ドイツ | €853(132,000円)×滞在月数 |
フランス | €615(97,600円)/月 |
タイ | ฿800万(334,500万円)/長期滞在用 |
台湾 | $2000~$3000(294,500円~441,800円)/卒業まで |
シンガポール | 250万円ほど/明確な記載なし |
韓国 | 30万円以上 |
中国 | 250万円ほど/明確な記載なし |
人気の国であるアメリカやイギリス、そしてアースとラリアやニュージーランドといった英語圏の国は物価も高いこともあり、残高証明の額が高いことがわかります。
それに対してアジアの国は物価が安いこともあって留学可能な残高証明の額も比較的安く設定されています。
一方でシンガポールや中国といった先進国は明確な規定を設けておらず、学校側や政府の規定が大きく関わっていることが伺い知れます。
留学用に残高証明を取得する際の注意点
残高証明書を取得するベストなタイミング
残高証明は留学先での生活を賄えることを証明する書類です。
そのためあまりに昔のものを提出しても意味がありません。
一般的にはビザ申請日より1ヶ月以内に発行されたものを使用します。
残高証明書は前日までの残高を示しますので、その後のお金の移動は記録されません。
残高証明の有効期限は?
残高証明書の有効期限は明確には定められていません。
多くの場合、受け入れ先の学校が指定してきます。
しかし基本的には発行してから1ヶ月が有効期限となります。
中には3ヶ月を有効期限としているところもありますが、時間が経った残高証明書の信憑性は薄れるために、4ヶ月や5ヶ月を有効期限としている学校はあまり見受けられません。
自分名義のものが必要?
留学生の中には未成年者も多くいます。
このような人たちの場合、預貯金額が少ないことが考えられます。
こうした点が考慮され、留学生の親の残高証明書の提出が求められることもあります。
留学生が預貯金を作るよりも親名義の残高証明書の方が学校側に安心感を与えることもありますので、名義について特に述べられていない場合は親の残高証明を提出することができます。
残高が足りない場合はどう対処する?
預貯金の残高が留学先で求められている額に達していなかった場合、どうすることができるでしょうか?この場合は誰かにお金を一時的に振り込んでもらい、残高証明書を取得した後すぐにお借りたお金を引き出し、返金することができます。
少しトリッキーな仕方ではあるものの、留学先での生活を賄える自信がある場合は問題ありません。
残高証明書は保険のようなもの
残高証明書は留学する国できちんと生活し、トラブルを引き起こさないことを証明する役割を果たしています。
留学の際はこの書類が必要であることを考慮し、留学を考えておられる方は今から貯金に励むことができます。