痩身エステに興味を持ったことがある人なら、「カッピング」という施術方法は1度は聞いたことがあるかもしれません。
痩身エステのメニューにあるカッピングとはいったいどんな施術方法なのか?
エステで行うカッピングとは?仕組みを解説
「カッピングとは、透明のカップを背中に吸着させ、カップの中を真空状態にすることで皮膚と皮膚下にある血管を引っ張り、血流促進をはかる施術方法です。
「吸い玉療法」とも呼ばれるカッピングは、ガラスやアルミなどのカップを使い、背中の皮膚に吸着させ、カップの中を真空状態にすることにその目的があります。
吸着させることで、カップの中に真空状態を作り出せば、必然的に皮膚が引っ張られることになり、皮膚下の血管も一緒に引っ張られることで血流がよくなることこそ、カッピングの施術目的です。
カップの吸引力により引き付けられた部分の皮膚は、血管も引っ張られることで皮膚下に血液が集中し、皮膚が「鬱血」した状態になります。
この鬱血した状態の皮膚の色によって、現在の健康状態がわかるとも言われ、黒っぽく、紫色に肌色が変化する時ほど、血液の流れが滞っていることになります。
施術動画
エステのカッピングで期待できる効果4つ
東洋医学において血流が悪いことを「血(おけつ)」と呼び、この血が原因となり、体の様々な体調不良を引き起こすとも言われています。
それほど、私たちの体にとって大事な意味を持つ「血液の流れ」ですが、カッピングはそんな血流によい効果をもたらすとされている施術方法です。
カッピングの主な効果
冷え症の改善
女性にとっての大敵ともいえるのが、あの「冷え症」です。
冷え症は、血流が滞ることで発生してしまいます。
スムーズな血行がのぞめない状態に陥ると、心臓から遠い位置にある足や手の指先といった末端部分まで血液が充分に行き届かなくなってしまいます。
その結果引き起こされるのが、冷え症です。
カッピングの施術により血流が促進されることで、冷え症の改善につながります。
むくみの改善
また、女性にとってもう1つの大敵ともいえるのが「むくみ」です。
むくみの原因は複雑ですが、スムーズな血流だけでなく、リンパの流れや老廃物が滞ってしまうことで発生してしまうものです。
カッピングの施術により血流が促進されれば、リンパや老廃物の流れもよくなり、同様にむくみの改善にもつながります。
ダイエット効果
血流が促進されると、酸素や栄養素が体を充分に巡ることとなり、基礎代謝がアップするため、脂肪を効率よく燃焼させることができます。
年齢と共に低下してしまう基礎代謝力をアップさせることができれば、脂肪を効率よく燃焼させることにもなるため、太りにくく痩せやすい体となり、ダイエット効果が期待できます。
アンチエイジング効果
老廃物の排泄がスムーズになることで、アンチエイジング効果も期待できます。
また基礎代謝がアップすれば、新陳代謝も活発になり、アンチエイジング効果の1つとして、美肌効果も期待できます。
カッピングの種類
「カッピング」と一言で言っても、実はいろいろな種類があります。1つずつその特徴をみていきましょう。
火罐法火
を使ってカップ内の空気を抜いていく方法です。
カップ内にアルコールや火種を入れて燃やし、カップ内の酸素が燃焼されることで気圧差が発生し、皮膚がカップへ吸引されます。
抽気罐法
カッピングの基本ともいえる方法です。
手動式のポンプを使いながら、カップの中の空気を抜き、真空状態にしていく方法です。
カップにつながったポンプで1つずつ空気を抜いていくため、痛みを加減しながら吸引力を調節できる方法です。
針罐法
針を皮膚に直接指し、滞ってしまった悪い血液を吸い出す方法です。
メディカルカッピングとも呼ばれ、事前にカッピングをする部位に針を刺し、傷をつけておいてからカッピングします。
カップ内で皮膚が吸引されると同時に、針で刺しておいた傷口から血液も吸い取ります。
閃罐法
カッピングは、真空状態になってからある一定時間放置しておく施術方法ですが、あえてその時間を短時間にしてしまう方法です。
真空状態と、取り外した状態を短時間で何度も繰り返します。
カップを外すときこそ気圧差が生まれるため、最も血流がよくなる瞬間でもあります。
短時間にあえて負荷を何度もかけることで、その効果を最大限に引き出すのが閃罐法です。
走罐法(ぞうぐあんほう)
皮膚にオイルを塗り、カップをスライドさせていく方法です。
スライドカッピングとも呼ばれ、皮膚に塗ったオイルの力を借り、カップをスライドさせていきます。
スライドさせることにより、広範囲においてカッピングの効果を得ることを目的としています。
カップを一定の場所に留まらせず、あえてスライドさせてカッピングすることにより、カッピングのデメリットでもある「跡」を残りにくくすることができ、走罐法のメリットの1つです。
留罐法(りゅうかんほう)
走罐法とは反対に、一定の時間カップをそのまま固定して置いておく方法です。
カッピングの基本的な方法ともいえますが、長時間置いておくと肌への負担が大きくなるため、固定して置いておく時間は、長くても10分~15分程度です。
カッピングは他の施術方法と比べてどうなの?
痩身エステには、エンダモロジーなど多数の施術方法がありますが、カッピングは、他の施術と比較するとどんなメリットがあるのでしょうか。
相乗効果
カッピングの施術は、血流改善により、ダイエット効果や痩身効果だけでなく、セルライトなどの脂肪や、老廃物の排泄を促す効果などの効果も同時に高めてくれます。
カッピングには、1つの施術方法により、複数の効果を高める相乗効果があります。
施術時間
一般的な痩身エステは、施術にかかる時間は長時間にわたるものがほとんどです。
カッピングの場合は、カップを付けて施術を受けている時間は3~5分ほどで、その前後のケアにかかる時間を合わせても、20分程度しかかかりません。
短時間で施術できることになり、カッピングの喜ばれるメリットの1つです。
低価格
カッピングは、エンダモロジーなどの施術と比較しても1回あたりの施術が¥3,000~¥5,000と低価格に設定されています。
週に2~3回程の施術が必要とされていますが、それでも1カ月あたりの施術費用で比較すると、他の施術方法より低価格で施術を受けることができます。
カッピングのデメリットは?
では、カッピングにはデメリットがあるのでしょうか。
カップの跡
カッピングの最大のデメリットは何と言ってもカップの跡が残ってしまうことです。
カップを皮膚に吸着させて、鬱血した状態となることで内出血を起こしてしまい、その跡が皮膚に残ってしまいます。
カップの跡は、長い人で1週間から10日ほども跡が残ってしまうこともあります。
施術後はどうしてもその跡が残ってしまうため、背中を見られるような予定があるときには、そのことも考えながら施術のスケジュールを決定していく必要があります。
食事の制限
カッピングは、血流に働きかける施術方法です。
そのため、消化活動のため胃腸に血液が集中する食後は施術できません。最低でも食後30分~1時間以上は開ける必要があります。
また、血液の流れが早くなる、激しい運動の後もカッピングの施術はできません。
肌への負担
カッピングは、内出血を起こした状態となるため肌にある程度の負担がかかってしまいます。
肌が弱い人は、肌荒れの原因となってしまうことがあり、また吸引力が強すぎると水ぶくれなどの肌トラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。
カッピングの施術中の痛み・副作用はあるの?
カッピングは、吸引される力が強ければ多少の痛みを感じてしまいますが、我慢できないほどの痛みではないと感じる人がほとんどです。
感じる痛みを調節しながら施術できるところも、カッピングのメリットでもあります。
また、カッピング効果により血流が促進されると、痒みが生じたり疲労感や眠気を感じやすくなることがあります。
これらの症状は「好転反応」と呼ばれ、体内の細胞が正常な働きをする細胞へと修復される際に起こる現象であり、カッピングの施術による副作用ではありません。
カッピング 施術の流れ
痩身エステで施術されるカッピングの施術の流れを見てみましょう。
カウンセリングをしっかり行い、施術する部位を決めていきます。
気になる部分にカップを吸着させ、身体状態に合わせながら吸引力を調節しながら真空状態を作っていきます。
体の状態を見ながら、カッピングの時間を決めますが、3~5分程度が程よい時間とされています。
吸引後はカップを外し、できるだけ跡が残らないように、トリートメントなどを使いながらしっかりマッサージします。
カッピング効果や注意点のまとめ
カッピングは、とてもシンプルでわかりやすい痩身のための施術法です。
カップというシンプルなものを使い、血流を促進することで体の血の巡りをよくし、健康的で美しい体を作り上げるための手助けをしてくれます。
血液の滞りでもある血は、冷え症をはじめ、むくみやめまいなどのさまざまな体調不良の原因となってしまいます。
そんな血液の流れをスムーズにすることで、ダイエット効果だけでなく、リンパや老廃物の排泄を助け、デトックス効果も発揮するのがカッピングです。
カッピングの施術で血行が促進されれば、健康的な体だけでなく、基礎代謝が高い、痩せやすく太りにくい体も手に入れることが可能となるのです。